鈴木一誌の仕事
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「蕣居」(しゅんきょ)鈴木一誌のアトリエ
初出:「インクジェットの本流」展 エプサイト 2016年
©薈田純一
『アイデアNo.379 ブック・デザイナー鈴木一誌の仕事』(誠文堂新光社)
鈴木一誌は装幀のみならず本文を含めた書物全体のデザインに関わりつづけるグラフィック・デザイナーだ。 杉浦康平事務所に12年間在籍した70年代の仕事から現在まで、その膨大なデザインの仕事と映画評論の源泉たる書籍に囲まれたアトリエを撮らせていただいた。 ただこのアトリエをどtう撮りきるかは難題だった。当初は〝一棚ずつ撮影し組み上げる〟いつもの方法で、実際すべての棚を一応取り終えてはいたものの、この空間に通い詰めればつめるほど場所の魅力をを棚の再現だけではまったく上手く行かないのだった。多視点をずっと標榜していたのに、一枚写真のほうがどうも効果的ではないかと思い悩んだが、魚眼レンズでは写真の意味を変えてしまうし、全体をカバー出来る広角もない。緻密さも大事で、中々見通しが立たなかった。結局「見る」という原点に戻ることにした。視点を定め、つまり自分は動かない場所をつくり、ぐるぐると見回す自分の視線を再現しようとした。またそれらの写真の断片の収集も、組み上げも機械的にするのではなく、歪むことにとらわれずに作り上げていった。それは空間を自分のものとするための実験と経験の所作であった。
http://www.idea-mag.com/idea_magazine/379/
idea アイデア379より、鈴木一誌の作品群
制作時写真の一部です。
©薈田純一