SESSHU GARDENS

雪舟庭園



室町時代の画僧・雪舟は六点の国宝を含む五十点あまりの真筆を残しているが、造園においても仮山水の築造に新基軸を打ち出し豪放で閑雅な庭園を残している。しかしこれらには雪舟作庭のはっきりした史実が残るものはなく、信憑性があるのは十指に満たない。

 だが真偽のほどが定かでなくても、あるいは時が庭園の形を変えていたとしても、僕にとって庭がREAL(本物)であることよりLIVE(活きている)であることの方が重要だった。木々の息吹を吸い、観て、感じて、雪舟の空間に埋没できるからだ。

 雪舟の庭は難解だといわれる。彼の水墨画と同じようにその茫漠とした凄みに、なにを見出せばいいのか解らなくなる。それは室町時代の空間様式を共有していないことも理由の一つだろう。だが雪舟の庭は鑑賞者の「見当識」を問う庭だからではないのか。おまえは何処から来て、何処にいて、何処へ行こうとしているのかと。